奇病

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 最近なんだか目が悪くなってしまった。具体的に言うととにかく文字を読み違えてしまう。「うらやましい」は「うわやらしい」にしか読めないし、女友達から来たメッセージ「旦那から開放されたいです」は「旦那から調教されたいです」に妄想してしまい、いやぁお盛んですなぁとなってしまう。「ムラがあります」は「ムラムラします」、「二カ所も経験」は「二箇所も拘束」に読めるという始末。ちょっと最後は苦しいかな?いいんだよだって拘束してるんだから。
 厄介なのはそれはそれで意味が何となく通じてしまうことで「ビーフパイがおいしかった」も「オッパイがおいしかった」も読み間違えたところで「おいしい」という意味では全く変わらないため「おいしかったの?良かったね」としか返せず、自分が間違っていることに気付くことができないのである。ガッデム。
 これはもしかしたら噂の老眼というやつなのかも知れない。ところが調べてみると老眼というやつは遠くのものしかよく見えなくなるというものらしく何かが違う気もする。しかし素直な自分はちょっと遠くから文字を見てみようと決意し、ディスプレイを遠くに離した。なんにも読めなかった。こんな米粒みたいな文字読めっか!そう言えば自分は極度の近視であった。あれ、よく見ると、そういう人々はなかなか老眼にはなりづらいと書いてある。本当?ねぇそれ本当?
 それでは一体この不思議な目の病気は何なのだろうか。こういった時になんとググればいいんだろうか。試しに間違えてしまった文字「ムラムラ」を引いてみると「ムラムラしている女の子の特徴8つ」などと非常に有益そうな文字が踊っている。やべぇこんなの読んだら日が暮れてしまう。全く検索エンジンというものは恐ろしいものである。やはりこういうのはちゃんと人に話をして聞くのが一番だと気づいた。そうだ、こども電話相談室に電話しよ、そーしよ。しかし全国のいたいけな子どもたちに調教とかいう言葉を聞かせてしまっていいのだろうか。もしかしたら…と自分は恐る恐る「大人電話相談室」と検索してみることにした。あった。ウィキペディア最高。しかしどうやら現在その番組は無くなってしまったらしい。一体誰がそんな素晴らしい番組をやってたの?教えてウィキペディア。
「出演者:浅草キッド。」
 俺は思わず暴れそうになった。馬鹿なのか。パソコンのディスプレイに頭突きを試みた。が、ディスプレイは何故かいつもよりちょっと離れた位置に動かしてあったので助かった。なぜ俺は下の問題に偉く強そうな人たちに目の病気の相談をしなくてはいけないのだろうか。夜の紹介所みたいな相談ならいいのかもしれないが自分が相談したいのは目の病気。下半身の問題ではないのだ。ダメ押しは関連項目にあった名前。
「ジェーン・スー」
 ウィッキペディアァァァァあ。くっそぉぉぉぉ。しない。お前に募金なんて絶対しねぇぞぉぉ。自分みたいな男がジェーン・スーに相談したらものの30秒でマットに沈むだろう。けちょんけちょんのフルボッコだ。俺を殺す気かウィキペディア。俺は目の問題を聞きたいのであって結婚問題では無いのだ。
 もう自分は疲弊し、あきらめ、これは奇病だと受け止めることにした。
そういえば自分は速読ではないが文字を読むのがちょっと人より速かったりする。もしや…祈りながらゆっくり読んでみると今度は不思議と一文字も読み間違えなかった。

 全く世の中には神も仏もいるものである。
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