FMラジオを聞くことが大人に思えたのはいつのことだっただろう。
限りなく近いローカルエリアで放送されているはずなのに何故か遠く感じたローカル。
世の中にはすごく近くにいるのに自分が知っている世界よりもかっこいい世界で生きている人達がいると思った。聞いたこともないカッコイイ曲をさらっとおすすめしたり、リスナーからのちょっとした悩み事にも懇切丁寧に答える彼らの声。どうやったらあんな声を持てるようになるのだろうかと不思議に思ったりした。
FMラジオのDJの人はなんだかAMラジオから流れるもっと有名な人達よりも毎日を楽しく過ごしているように感じる。きっと変に無理をしないで楽しいことを見つけようとしている感じが伝わってくるからかもしれない。楽しいことは場所に依るんじゃなくて、きっとどこにでも転がっている。DJの人だって辛いことや大変なこともあるだろうに、そんな事を感じさせるFMラジオを今まで聞いたことがない。
自分も何かチョットだけいつもと違うことをやってみたらもうちょっとカッコイイ生き方が出来るんじゃないか。そんな手を伸ばせば届くリアルを感じさせてくれるのがFMラジオの良さのような気がする。

たまに思い出すのは深夜に車を走らせると目に入るFMラジオ放送局。
今夜も誰かがあそこから電波の届く範囲のリスナーのためだけに声を発している。
そんな事を考えてCDプレーヤーも付いていないラジオのスイッチを入れると、やっぱりとびきりのリアルな声が聞こえてきた。