半年ほど前、僕達の街に隕石が堕ちてきて親友に当たってしまった。

 普通だったら死ぬはずの所を何とか一命を取り留めたのだけれど、その代償として彼は歩けない体になってしまう。それからの学校生活は彼にとって拷問だったのかもしれない。彼はいつの日からか学校に来なくなってしまったのだから。

 そんな彼が今日突然やってきて学校を占拠してしまったんだ。よくわからないけれど重力を操作する超能力を手に入れたのだという。学校内にいる全ての人間が彼の超能力によって地面に拘束されてしまった。
 彼は地面に這いつくばった生徒に対してこの目的が集団無理心中であることを説明した。もう二度と歩けない世の中に未練はなく、いっそのこと自分に関心を示さなかった人間とともに死のうと決めたという。

 自分と生物の谷家先生だけが学校から出ることを許された。彼からは僕達に感謝の言葉があった。親友だと思っていたのは僕だけではなかった。あたりはすっかり夕方でそろそろ夜になろうとしている。

 いつ迄残された時間があるのかはわからない。彼は教室で地面にひれ伏す生徒ひとりひとりに対してこれから起こるであろう出来事や過去の恨み言を話しかけているようだった。時折校舎の窓から泣き声や叫び声が聞こえてくる。
 学校脇の丘から校舎の方を伺いながら先生とこれからのことを話した。警察はこんな馬鹿げたことは信じてくれないだろうし、仮に信じてくれたとしたって彼を止めようとする間に彼は速やかに目的を達してしまうだけだろう。

「あっ、おい。」
先生が声を上げた。指の先には校庭に入り込もうとする野良犬が見える。
「彼の能力は人間以外には効かないのかもしれないな」
先生はさらに続ける。
「いるんだ理科室に。彼を止められるかも知れないものが。俺はマンバを、ブラックマンバを準備室で飼っているんだ。噛まれたらまず助からない」

 まともだと思っていた人間が全然違うのを今日だけで二回も見てしまった。先生は暗に彼を殺そうと言っている。それも毒蛇を使って。とても頭が悪いし、成功するなんて思えない。けれど僕達には時間がなかった。

 親友を死に追いやるというイメージがこの場所から逃げろという。失敗したら今度こそ彼から逃げることは無理だろう。見ると先生は既に丘を降りて理科室に駆け出している。

 どうしよう。逃げるべきか、逃げざるべきか。

 なんてベタな厨二夢をみた事がありました。いつか出そうと思っていたのか下書きに埋もれていました。マンバを夢に見るってあんまりないですよね。マンバ。