疲れた獣みたいに舌を出して歩いている。雑踏の中で皆同じように歩いている。こんなに自分は傷ついているんですよと手に心臓を掲げながら。優しい声を聞くことのできなくなった耳を下に向けながら。

「そんな事でどうやって希望を見つけられるんですか」そんな事を叫ぶ無機質な拡声器の音がうるさい。機械の声だけは聞こえるみたいだ。みんなどこへ向かってるんだろう。どこかで誰かが笛を吹いているはずだ。

見上げれば灰色の空に白く光る太陽が見える。いつから白くなったのだろう。もしもあれが橙色だったら、こんな気持ちになることもきっとないのに。

笛吹きはこの先頭にいるらしい。それがどんな奴かも分からないのにただ従順に歩く人々の群れ。こんなふうにマンモスも歩いていたのかもしれない。この同じ地面を同じ気持ちで。

こうしているのは本能なのかもしれない。抗うことはできないものなのかもしれない。いつの間にか歴史の上を歩いている。電子の海を歩いている。

地面に流れる止まれの文字。

https://youtu.be/rOY7wy6ipjo