誕生日

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 九月六日、誕生日だから俺のためになんか書いてくれと友人が言い出した。いつも何かしら書いたりしているのだからそれ程無茶な願いでも無い気もするし、いや結構無茶だろうと思う自分もいる。だって我こそはキングオブ照れ屋。お題は『誕生日』が良いと言われた。誕生日について書こうと思う。

「誕生日はドンドン色褪せていく」そんな台詞を彼から聞くとは思わなかった。確かに10代、20代、30代と経ていつの間にかお互いに40代になってしまった。そして気付いたらもっと上の世代になって、頼みもしないのにどんどん死は近づいてくるのだろう。俺達は何処に生きる成長の糊代を落としてしまったのだろうか。年と共に成長するのは幾ばくかの雑学と生きる裏技、そして悲しみに耐える方法ばかりだ。俺が死んだら色々頼む、なんてことを今年も言われた。男が短命の家系らしく彼は後20年位で自分の寿命が来るものだと思っている。そんなこと言うなよ、で返す位が丁度良かったのかもしれないが、そんな言葉は出てこなかった。
「子供がまだ小さいんだからなるべく長生きしろよ」現実の言葉はいつも陳腐だ。

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 ヤマザキくん、君はまた一つ歳を取っちまいやがりました。俺はこの日が来ると君がひとつ年上になってしまうのでタメ口を聞くのが少しだけ躊躇われてしまいとても嫌です。君は言いました「子供の成長を見ながら一緒に酒を呑んだり昔の話をできればいい、そして新しい音楽やカルチャーに触れられたらそれでいい、先に逝くだろうから其の後はよろしく」
なるほどこれは見方によってはたいそう有り難い言葉なのかもしれませんが、俺は欲張りなのでこんな言葉では全然満足できません。

だから千年生きましょう。
一万年では長過ぎます。
千年くらいが丁度良いです。
そんなこと無理だろうと他のやつに馬鹿にされたってかまやしません。
千年生きましょう。
そしてもう少しだけ一緒に旨い酒を飲みましょう。
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後九百五十年位残っているんだったら、まだまだ笑って余裕で言える気がする。

──誕生日おめでとう。

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