「 小説 」一覧

小説

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ラファエル田中

この記事の所要時間: 4 1

「じゃあ名前はなんて呼べばいいかな」 「田中です」 「田中?ラファエルじゃないの?」 「役名はそれです」 「じゃぁ、田中さん。他の人は?」 「ちょっとみんな色々あって。清水さんはお子さんが熱出しちゃって今日は...

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ミノタケ

この記事の所要時間: 4 32

 文具店の中は消しゴムの微かな香りと現像液を拭きとった後のような匂いが混ざっていて、ここがただの本屋ではないことを主張していた。なんで俺はここに居るんだっけ?確か失恋したか何かでとても疲れていて、トボトボ歩いていただけなのにいつの間...

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狐祭り

この記事の所要時間: 1 34

 夏祭りの社。  橙色の提灯の明かりがボンヤリと屋台道を照らしている。ふと見ると狐の面がこっちを見ていた。少し神経質そうな後ろ姿をした男が立ち止まる素振りもなく歩いている。そんな男の後ろをちょっと離れて付いて行く南天柄の白い浴...

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仏僧物語

この記事の所要時間: 5 41

 男が座っている。  齢は三十そこそこだろうか。まげの剃る部分、月代には生えかけの毛が目立ち無精髭も甚だしいため浪人風情に違いない。男は町の外れの道端の日陰で片膝を立て、じっと物思いに耽っていた 「誰かとまぐわいてぇ、つまり...

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ジャングルへの帰還 ― ジャングルノート11話【完結】

この記事の所要時間: 3 11

 そういえば本の表紙には作者の名前が無い。あとがきのページをめくるとやっと作者の名前を見つけた。やはり作者はフランス人のようだ。訳者のところには「訳したあなたの名前をここに書いて下さい」と線が引いてある。そこには前の持ち主が書い...

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読了 ― ジャングルノート10話

この記事の所要時間: 6 51

八章:この世の果て  遂に長かったこの手記にも旅の終わりを記す時がきたようだ。私は今、海の孤島に浮かぶ病院のベッドで此れを書いている。こんなとるに足らない今の私の状況など書くことは関係ない気もするが物語というものは物語の世界の中だ...

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追想の夜 ― ジャングルノート9話

この記事の所要時間: 3 6

七章:知られざる夜会  長くなった私の手記もそろそろ終わりを迎えようとしている。しかし私は書こうと決めたことのうちの一つをまだ書いていなかった。忘れてしまう前にここに書き留めておこうと思う。  ジャングルの中では誰も...

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マルセイユ ― ジャングルノート8話

この記事の所要時間: 4 48

六章:迷い込むライオン  外の歓声をよそに、私は笑いながら涙を流していた。何のための涙なのかは解らない。祖国へ早く帰れる喜びなど無かった。全てはまやかしだということは判っている。早く帰れると言われたところで祖国へすぐに...

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未来への道 ― ジャングルノート7話

この記事の所要時間: 2 56

五章:逆流する滝  私は現実とは何かということを真剣に疑問に思い始めていた。ジャングルに入ってのこの数ヶ月間、実に多くの不思議な光景と仲間の死に立ち会って来た。だがそれを現実として受け止めきれていないのだ。例えばもしもこれが本...

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チョコレートの栞 ― ジャングルノート6話

この記事の所要時間: 1 44

 机の上に造作なく置かれていたチョコレートの箱を千切り、栞の代わりに本に挟む。    やっと半分程読み終えた。もうとっくに読み終わると思っていたのになかなか読み進まない。この本に書かれていることは全くの作り話なのだろうか。そ...

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