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text/abara house

夜中にロックを聞くとロクな事を考えない

Posted by ginzasur on
この記事の所要時間: 1 40

 一生懸命ヘタ上手に生きたいと思っているくせに全然出来ていなくて唖然とする。人からそれなりに好かれてそれなりに嫌われないように生きたいとか考えてしまったりする。

 逃げだと思う。もう自分がグルグル独りよがりで回って、周りが呆れてるのにも関わらず回り続けて、いつの間にか周りも巻き込んでグルグルいきたいと思う。他人に迷惑をかけるのはあまり好きじゃないから自分に付き合ってくれる人達のところを探してグルグル回っていきたい。兎に角集中して回っていれば、いろんな人に弾かれたり進みやすいところに紛れ込んだりできるだろうから、結局丁度いいところに収まっていくような気がする。回らなくちゃいけない。ヘタに器用になるときっと回れなくなってしまうから自分の信じる回り方を持たないといけない。曜日が分かるようじゃダメだと思う。日付もわかるようじゃダメだと思う。自分で計算できちゃダメだと思う。

  などと考える時があるんだけど少しだけ合っていてもの凄く間違っているのだろう。もう自分の声が後ろから追っかけてくるくらいのスピードで生きていきたいと思う時もあったりするけれど、家族がいたり友達がいるから死に急いじゃダメだと思うし、まぁゆっくり行こうかって思って笑ってしまう。そうだ長生きしよう。  でもこんな風に考えられる時は自分にとっては凄くいい時で、なにかやりたいことが見つかってるからきっと葛藤してるんだろう。なんだ幸せじゃないか。そしてたったこれだけのことを考えるのにも色々自分の中に矛盾があることに気付き、あぁ俺も人間だなぁと実感する。人に説明するときは筋道をたてようとするくせに内面は矛盾だらけでごちゃごちゃになっているのが凄く面白い。きっと悩んでしまう人は内なる矛盾が許せなくなってるだけなのかもしれないと考えてみたりする。

 あんまり難しいことを考えると疲れてしまうから、たまにボーッとして自分がまだ人生の旅路の途中だって思い出す事にしている。
  まだ全然終わってない。

text/abara house

アバラハウス

Posted by ginzasur on
この記事の所要時間: 1 44

 自分にとって今までで一番居心地の良かった場所って何処だろう。絵描きの仲間たちと過ごした築30年2K共同トイレ風呂無しアパートも好きだったけれど、俺にとってはあらたくんの家が最高だった。あらたくんは8畳1K風呂無し築30年家賃8000円の部屋にカセットが動かないCDプレーヤーと沢山の山積みされたCDと素敵な彼女と住んでいた。色褪せた畳は縁が黒い布製で、傷やほつれやタバコの焦げ跡、消えない口紅の汚れが付いていた。部屋には家具などなんにもなくて、せんべい布団が敷いてあるだけだった。良く電気も止まっていたし、ブラジャーが転がってたり、男と女の匂いがしたり、よくも誰もいないあの部屋に1人で遊びに行ったものだと呆れてしまう。あそこには玄関がなくて窓しか無かった。玄関みたいな扉も確かにそこにはあったけれど、あらたくんに「開けるな」と言われたので俺は一度も開けたことがない。俺は家人が居ない時も、いつも開けっ放しのサッシから勝手に部屋に上がり込み、ボーッと考え事をしたり、詩を書いたり、山積みのCDの中からブランキーを探して聞いたり、目の前30センチくらいに作り出した丸い煙を見ながらタバコを吸うのが好きだった。

 とても昔のことなのであの部屋はなくなってしまったと思う。あの部屋が大好きだった俺は、頭の中に完璧に再現することができるのだけれど、実際にどうやったらあんなにヤバくて居心地のいい感じを出せるのかが分からない。そんなことを考えていたら、ふとあの玄関は開けたら大人になってしまう扉だったのかもしれないと思えてきた。あらたくんは開けてしまったのだろうか。

 あぁ。居心地のいい場所について書いていたんだった。昨夜焼酎のおかげで酩酊した俺は、あの部屋で物を書けたら最高だなと気付いてしまった。善は急げと思い立ち、頭の中に早速あの部屋をつくりあげて「アバラハウス」と名付けてみた。何か書くときにはここにいます。物好きな方は遊びに来て下さい。玄関はいつも開いています。閉まっているときなど滅多にありませんが、もしもの時はお察しください。